CTF(Capture The Flag)とは?
参加者は「Flag(旗)」と呼ばれる、答えとなる文字列を見つけだすことを目標とし、ネットワーク解析やプログラミング、脆弱性解析技術など、幅広いサイバーセキュリティスキルを駆使して問題を攻略します。「Flag」は機密情報の比喩でもあり、暗号化された秘密の文字列や競技空間内のサーバー上にあるファイルのように、問題ごとに様々な形式で定義されます。
CTFは単なる技術競技にとどまらず、参加者が実践的なセキュリティスキルを身につけ、創造性と論理的思考力を鍛える貴重な学習機会でもあります。近年は、世界各国の大学や企業、カンファレンスなども盛んに開催しており、未来のサイバーセキュリティ人材の育成の場として注目されています。
競技形式
CTFには大きく2つの形式があります。出題されたパズルを解く速さを競うJeopardy(ジョパディ)形式と、リアルタイムの攻防戦であるAttack & Defenseです。
─ 競技形式
Jeopardy形式
複数のジャンルから出題される小問形式のクイズのようなもので、参加者は興味のある問題を選んで挑戦します
幅広い難易度やジャンルがあり、代表的なジャンルとしては、暗号、Webセキュリティ、リバースエンジニアリング、バイナリエクスプロイト、フォレンジックなどがあります。
問題を解いて得られたフラグを回答すると、その問題の得点を獲得できます。
Attack & Defense形式
Attack & Defenseは、その名のとおり攻撃と防御を同時に行うリアルタイムのチーム大戦形式です。各チームには同一の脆弱(セキュリティホールがある状態)なサーバー環境が配布され、相手のサーバーから設置されたフラグを奪う一方で、自チームの脆弱性を修正します。より多くのフラグを奪い、自分のサーバーを守ったチームが勝利します。
攻撃・防御の両方を、他チームよりも素早く行うことが勝利の秘訣となるため、メンバーが最大限の力を発揮できるよう、チームとしての戦略決定やマネジメントを行うことも重要な要素となります。
ICC Tokyo 2025大会の特徴
世界中の国と地域から選抜された26歳以下の優秀な若者たちが、各リージョンを代表してチームを組み、国際部隊でしのぎを削ります。
1日目はJeopardy形式、2日目はAttack & Defense形式で競技が行われるため、参加者には総合的なスキルセットとチームとしての連携力が問われます。
また、Attack & Defense形式を採用している大会は世界的に見ても非常に少なく、ICC Tokyo 2025の大きな特色です。
問題作成・競技環境運営は日本のCTFトッププレイヤーたちが担当し、長年の経験と深い知識に基づいた、質の高い問題と公平な競技環境を提供します。
サイバーセキュリティ競技を「見える」体験へ
ICC Tokyo 2025では、「ふだんは目に見えにくいサイバーセキュリティ競技を、誰もが直感的に楽しめる体験に」という思いの下、競技の迫力や駆け引きを来場者に感じてもらうため、これまでの競技可視化手法に日本のポップカルチャーを取り入れ、さらに進化させた見える化を図ります。
テクノロジーと文化をつなぐ表現
サイバーセキュリティ競技は複雑で、背景や専門知識がなければ理解しづらいものです。そこで、競技の可視化では、ゲーム・アニメ・マンガといった日本のポップカルチャーをサイバー空間と掛け合わせた“サイバーポップ”なビジュアルアプローチを採用しました。
日本的モチーフを取り入れた仮想空間を舞台に、得点や攻防の展開をキャラクターの動きや背景変化として表現することで、CTFのルールを知らない来場者でも直感的に競技の流れを楽しめるよう工夫しています。
キャラクターと仮想世界で描く競技の可視化
仮想空間を動き回るアバター/キャラクターは、中性的で親しみやすいデザインを基本とし、色だけでなく形状の違いでも識別できるようデザイン上の配慮をしています。
8体のキャラクターは「かわいさ」と「かっこよさ」を併せ持ち、誰もがワクワクできるポジティブな印象を与えるようにデザインされています。
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KIRIN
AFRICA -
TIGER
ASEAN -
DRAGON
ASIA -
TANUKI
CANADA -
FOX
EUROPE -
SHISHI
LAC -
DOG
OCEANIA -
RABBIT
USA
この魅力的なキャラがサイバー空間を飛び回り、ゲームの攻防を分かりやすく表現します。
問題を解いてフラグを取得すると、仮想空間の球体ステージに色が広がっていきます。
陣取りゲームのように競技の進行が視覚化されます。
各チームのサーバーを舞台に、サイバー空間での攻防をキャラクターの動きや光で表現。
観客は直感的に戦況の変化を理解できます。